相馬医師からのメッセージ
「小さい頃から胃腸が弱い」
「ストレスがかかると胃が痛くなる」
「学校や職場、公共の場にいるとお腹が痛くなる」
といった症状を抱えている方はいませんか?
「私だけがお腹の症状で苦しんでいるんだ」と思われるかもしれませんが、実は機能性ディスペプシア(胃痛・胃もたれなど)・過敏性腸症候群(下痢・便秘・お腹の張りなど)ともに日本人の10~20%が患っていると言われています。
つまりこれらの症状は(個人差がありますが)まれなものどころか、日常よく見られるものなのです。
ここで問題点が生じます。
上記のような症状で病院やクリニックに行くと、なかなか満足のいく診療や治療を受けられないことです。
私たち内科医、特に消化器内科医はこれまで長い間、潰瘍やがんの治療に奔走してきました。
すなわち「内視鏡や画像診断で目に見える疾患」です。
これら潰瘍やがんの治療はめざましく進歩しています。
ところが機能性ディスペプシアや過敏性腸症候群の診療・治療となると、私たち医師は途端に勢いをなくしてしまいます。
これらの疾患は潰瘍やがんと違って「目に見えない疾患」だからです。
そのため、私たちは苦し紛れに「異常がありません」「神経性の胃腸病でしょう」といった返答を患者さんにしてしまいがちです。
場合によっては「気にしすぎじゃないですか」といった心無い言葉を投げてしまうこともあるかもしれません。
当院は「胃腸病」専門のクリニックで、お腹の症状を抱えた患者さんが毎日たくさん来院されます。
上記のような「胃痛・胃もたれ」「便秘・下痢・お腹の張り」といった症状の方が多くいます。
そして地域のクリニックなので「検査をして異常がなかったら終わり」という診療はほとんどありません。
「先生、この前出してくれたお薬は効かなかったですよ」「そしたら今度は違うお薬を試してみましょうか」といったフィードバックがあることが最大の売りです。
このような診療を積み重ねていくうちに、機能性ディスペプシアや過敏性腸症候群といった症状改善がなかなか難しい疾患にアプローチができるようになってきました。
そこで2023年1月より、「機能性ディスペプシア(F D)・過敏性腸症候群」専門外来を立ち上げることになりました。
お腹の症状で困っている地域の皆さまそして遠方の方々に、この外来が少しでもお役に立てますよう、懇切丁寧な診療を心がけたいと思っています。
よろしくお願いいたします。